Wednesday, July 28, 2010

アメリカ→ドイツ→ちょっとオランダ→ドイツ→日本


やっとこうしてここに戻って来れました。(実家にも戻って来れました!!)

まずはお知らせです。大変光栄な事に、2010年の秋からデトモルト音楽院でマリンバの講師としてドイツに戻れる事が決まりました。

こ の大変ありがたいお話、実は3月には決まっていたのですが、素直に喜べない自分もいました。だからここに戻ってくるのに時間がかかった、というのが正直な ところです。この数ヶ月間は迷い、ゆっくり考え、時にはうろたえ、そして最後にようやく見つけ出した細い光を頼りに、それを信じてまた再出発していこうと 決意した期間でありました。周りから見ると、スムーズに進んでいることでも、本人の心の内はそういうものでもないということ、ありますよね。僕はちょうど その時期だったようです。

でもこういう期間があるからこそ、また改めて自分を見つめ、少しだけ自分を知り、少しだけその自分を受け入れよ うとすること出来たし、更には自分の生活に音楽があるありがたさ、音楽が出来る環境、させてもらえている環境、そして家族、友人、僕の音楽を応援してくだ さっている方への感謝の念がよりいっそう深くなるんですよね。

英語が全くというほど通じない状況でボストンに降り立ってから、約9年間。 楽しいことも、苦しいことも、泣いたことも、感動したことも、怖い思いをしたことも、幸せなことも、不運なことも、本当に、本当に色々とありました。文化 も、言葉も、肌の色も違う人種がそれぞれの居場所を見つけて暮らすアメリカで、その地に行くまでまったく面識も無かった僕の恩師であるNancy Zeltsman先生、Dr. Karl Paulnack先生に出会えたこと、言葉の壁を超え心で繋がれる親友を見つけられたこと、命・生きることを考えされされたこと・・・書き出すと切があり ませんが、音楽家である前に、まず人として心豊かに、そして今の自分の境遇に感謝しながら幸せに生きるということを、アメリカ生活は僕に教えてくれまし た。そのすべてがやっと少しずつ僕の心の中に整理されて仕舞われていますし、それらはきっと僕の音となってくれるのでしょう。

そのアメリ カ生活をこの6月を持って引き払いました。第二の故郷となったその地を離れることは、本当に悲しいです。でも、僕の人生に吹いてくれている風に感謝し、身 を任せ、約9年前にアメリカの地に降り立ったように、また新しい生活をドイツでするために出発します。31歳にはなりましたが、まだまだ自分の脳みそを固 めすぎずに、新しい土地で感じる様々なことを自分の中に吸収し、自分の音楽にまた新しい色を添えたいなあ、と今はそういう思いです。

時間はかかりましたが、やっとこうして何とか言葉に出来たことで、また前に進めそうです。

写真はボストンを見ながら夕日が見える、僕のお気に入りのスポットの写真です。